見えていなかった関係性が見えてくる もし「デザインシステム」について勉強するなら、どんなトピックを選びますか? 多くの方は UI コンポーネントや Figma をはじめとしたデザインツールでの管理方法を思い浮かべるはずです。これから勉強を始めたい方には良いトピックですが、「デザインジェネラリスト(幅広い知識とスキルをもったデザイナー)の定義」のようなトピックを思いつく方は少ないかもしれません。 一見、デザインシステムと関係ないように見えますが、デザインジェネラリストはデザインシステムを作り始める方に多い傾向です。スキルが高いのでひとりでいろいろ出来てしまう一方、タスクが多過ぎて目の前の作業しか見えなくなることがあります。優先順位を付けるなど戦略的にデザインシステムに取り組むような体制やコミュニケーション設計が重要です。 「デザインシステムを広く使ってもらうには、デザインジェネラリストの定義が不可欠だ」と最初から思い付いていたわけではなく、学習を続けるうちに自然と見つかりました。こうした、一見関係性のないトピックが見つけられるようになったのもネットワーク型のナレッジマネージメントを始めたからです。

個人向けナレッジマネージメントのはじめかた
個人向けナレッジマネージメントのはじめかた

インプットの質でアウトプットが変わる デザイン案やワイヤーフレームなど、プロセスの節目でアウトプットを評価する機会があります。デザインに限ったことではありませんが、アウトプットの評価はどこかで必ず行われていますが、インプットはどうでしょうか。ここで言うインプットとは、 アウトプットをするために必要な情報を指します。 例えば以下のような情報はインプットになります。 事業戦略 企画書 PRD(プロダクト要求指標書) ガイドライン 定量・定性調査 その他、合意している情報 デザインであればムードボードや競合調査なども大事なインプットになります。デザインはデザイナーの思いつきで作られるものではなく、上記のようなインプットを頼りにしています。 アウトプットはインプットの質に左右されることが多いです。例えば、明確なターゲットユーザーの定義(インプット)がないままだと、誰に対するデザイン案なのか分からないので良し悪しの判断がつきません。レビューワーがそれぞれの価値観で意見を出すので「使いにくい」と言われても、誰に対して使いにくいのか分からないですし、修正方針も決まらないのでデザイナーが動きにくくなります。

アウトプットの質向上のためにインプットもレビューしよう
アウトプットの質向上のためにインプットもレビューしよう
Yasuhisa Hasegawa

He designs content for web and elsewhere. A Freelance designer living in Tokyo.